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■花千枝■クマと陽介■完直■完直■花千枝■
■鳴上くんが居なくなった後■
学校帰り、花村と一緒になった。
雪子は家の手伝いが忙しいらしく、今日は先に帰ってしまった。
家を継ぐと決めて積極的に動き出した親友は前よりもずっと生き生きしていて、見ていて此方も嬉しい。
大好きな誰かが幸せそうなのはやっぱり嬉しい。
けれどやっぱりちょっと寂しいのも事実で。
いつも隣に居てくれる親友が居ないと、その空間にぽっかり穴でもあいたような気持ちになる。
陽介も去年はそんな親友が居た。
何時も一緒、だった。
そんな素振りは見せないけれど、寂しくない訳がないと思う。
「何か今日は肉が食べたい気分〜花村の奢りで」
「何でだよ!」
「私の幸せな気持ちを分けてあげようって言ってるのよ」
以前雪子に言われた事がある。
千枝はすごく幸せそうに肉を食べるからこっちまで嬉しくなる、と。
なんじゃそりゃ、と花村は笑った。
「んじゃ行くか」
花村は敏いヤツだから、きっと元気づけようとしてくれてんだなって気が付いてしまっているだろう。
そういう気遣い下手でゴメン。
でもやっぱり大好きな誰かには幸せに笑って居て欲しいものなのだ。
***
花千枝
鳴上君が帰った後
花村ならこういう時もっと上手く気を使えるんじゃないかって千枝ちゃんは思ってるんじゃないかなって。
12.04.22
■#24クマと陽介■
「クマ、お前今まで何処に居たんだよ」
せっかく携帯持たせたのに全然出ねえし。
クマはしおらしくゴメンクマと謝った。
「いろんなところに行ってたクマ…クマ、菜々ちゃんの為に何も出来なかったクマ。クマの正体も思い出したし…クマの居場所はもう何処にもないと思ったクマ」
馬鹿だなあ、と陽介は言った。
皆クマが居なくなって心配していたのに。
「でも菜々ちゃんが無事だってわかって、すごく嬉しくてお見まいに行ったら、菜々ちゃんクマの心配してくれてたクマ。…クマの声が聞こえたよって言ってくれたクマ」
菜々ちゃんの方がビョーキなのに。菜々ちゃんは本当に優しいクマ。
そだな、と陽介は頷く。
あの子は本当に良い子だ。
「それでクマにもまだ出来る事がある筈だと思ったクマ。菜々ちゃんの為にもやらなきゃいけないと思ったクマ」
でもその前に、力強く顔を上げたクマはまた視線を落とす。
「皆にクマはシャドウだったって言わなきゃいけないと思ったクマ…」
其れを告白するのはクマにとって、とても勇気の居る大変なことだっただろうことは想像がつく。
「クマの正体がわかったのに皆に言わないのは駄目だと思ったクマ。言わないとこの辺がモヤモヤしてすっきりしないクマ。嘘ついてるみたいで嫌だと思ったクマ」
この辺が、とクマは胸の辺りを指し示した。
何となくその気持ちはわかるような気がした。
多分、悠に対等で居たいから自分を殴ってくれと言った、あの時の自分と似たような気持ちなのだろう。
黙ったままではすっきりしなくて先に行けない。
結果、雪が降る中で殴り合いになって、傍から見たら馬鹿みたいだったとしても、自分にとってあれは前に進む為の重要な儀式だったのだ。
「嫌われたらどうしようって思ったけど、皆優しくてクマ凄く嬉しかったクマよ」
「ばあか」
エヘへと笑うクマの頭を陽介はかき混ぜてやった。
「大体お前が最初に自分で言ったんじゃないか」
一番最初にテレビに入った時に其処に居た謎の着ぐるみを開けたら中身は空っぽだった。
吃驚して、何だお前、と言ったらそいつは答えて言ったのだ。
「『クマはクマだ』って」
END
***
#24ネタ
クマがすごく可愛かったもんで
陽介とクマは兄弟みたい、と思ってます
12.03.25
■#24完直共闘■
自分の小柄なペルソナが素早さで相手を撹乱し、完二のペルソナがそのパワーで持って敵をねじ伏せる。
手強いといえど、自分たちならば倒せない相手では無い、と思った。
『此処はボク達が食いとめます』
可能であると思ったからこその発言だった。
ボク達。
その言葉が自分の口から自然に出た事に思わず直斗は笑った。
「なんだ、楽しそうだな」
完二が言う。
「ええ、確かにボクは楽しいのかもしれません」
直斗は其れを認めた。
完二はその答えに少し納得がいかなかったようだ。
「あんな糞野郎と戦ってんのにか?」
「いえ、足立と戦う事が楽しい訳じゃない」
この事件の真犯人である足立を許せないと思うのは直斗とて同じ気持ちだ。
「誰かと一緒に、というのが楽しいんです」
「ご存知の通り、探偵の仕事と言うのは地道な作業の連続だ」
聞き込みや尾行などを繰り返し、情報を集めて、推理していく。
警察に協力する事もあるが、ある程度真相が見えてくるとすぐに邪魔にされる。
だからずっと一人だと思っていた。
一人きりでずっとやっていくのだと思っていた。
「ボクはこんな風に誰かと一緒に犯人を追いつめる事があるなんて考えもしなかった」
直斗は完二を見て笑った。
「『ボク達が』なんて言葉が自然にボクの口から出る事があるなんて思ってもみなかったんです」
ボク達ならば出来ると思えた、其れは相手を信頼している証拠ではないだろうか。
そんな風に思えた、其れが嬉しい。
「さあ、こんな奴さっさと『ボク達』でやっつけてしまいましょう」
直斗の言葉に完二は力強く、応と答えた。
END
***
直斗がさらっと「ぼくたち」とか言うので超萌えた。
12.03.25
■完直・ミス?コン■
「やっぱやるなら一番狙いてえトコだが、先輩たちも居るとなると難しいな」
「何故ですか」
「いや何故って…鳴上先輩はイケメンだし、花村先輩だって口を開けばガッカリ王子なんて言われちゃいるが、喋んなきゃイケメンってお墨付きってことだろ」
それだけ容姿の整った先輩方が参戦するのだ。
女装イベントとはいえ、元々の容姿はかなり重要だと思う。
比べて自分は身体もごついし目つきは悪いし、普通に戦って勝てるとは思えない。
此処はいっそ笑いを取る形にでもした方がまた勝機はあるのではないか。
そう思ったのだが、直斗は其れが不満のようだ。
「それはつまり巽くんはイケメンではないということですか」
「…イケメンじゃないだろが」
自分で言うのもなんだが、どう贔屓目に見てもイケメンという形容詞からは遠い位置に居ると思われる。
「その意見には賛成できません」
しかし直斗はそうは思っていないらしい。
「確かに少し目つきは悪いかもしれませんが、背も高いしがっちりしているし、男らしいといった面で鳴上先輩や花村先輩に引けを取っているとは思えません」
直斗の熱弁は続く。
「確かに人それぞれ好みの違いといったものはあるでしょうが、決してブサイクの類に属するものではないとボクは考えます」
「…はぁ。ありがとよ」
『目つきが悪い』は、まあ余計だが、『背が高くてがっちりしていて男らしい。』
つまりは直斗は完二をそう思っているということだ。
しかし、どちらにせよそれは女装にはむいてないってことじゃないだろうか。
そう思いつつも少し嬉しい完二だった。
***
完直
アニメじゃメーイクアップ!担当が誰かあんまし語られてなかったカンジなので
直斗がやってくれたら良かったのにな的な。
まあ直斗がやってマリリンじゃなー(^^ゞ
12.02.18
■花千枝■
「花村先輩と里中先輩って付き合ってるんスか」
完二がそう質問すると陽介は飲んでいたリボンシトロンに盛大に噎せた。
思ってもいない予想外の質問だったらしい。
「な、なんだよ突然お前」
「いや仲いいなって」
そう、仲がいい。
遠慮が無いというか、もう何年も付き合って相手の何もかもがわかっているカップルのように見える。
「残念ながら付き合っちゃいないっての」
「『残念ながら』っすか」
付き合っていない、として見るならば、二人の関係はサバサバしていてまるで同性の友人のようだ。
女の子扱いしているようには見えない。
だから『残念ながら』という陽介の答えが少し意外だった。
里中先輩ととても仲が良いけれど、どちらかというと天城先輩の方に気があるのではと思うくらいだったから。
完二の心を読んだ様に陽介は言った。
「そりゃ口より先に足が出るような凶暴な女だけどさ」
思わず頷く。
「でも転校してきたオレに気さくに話しかけてきてくれたイイ奴なんだぜ」
それにさ、と陽介は少し小声になった。
「結構カワイイと思うんだよな」
乱暴者で肉食だけど、容姿は並み以上だと思う。
…それを本人に言えばいいのに。
完二はそう思ったが口には出さなかった。
END
***
花千枝
でも陽介は小西先輩のこともあるし
事件が片付くまでは言いそうもカンジ。
11.12.31
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