■敵わない■

 

 

「ハルは、どうしてオレなんか好きになったの」

ふと、訊いてみたくなってツナは言った。

「ツナさんはハルを助けてくれたからです」

思っていたとおりにあっさりきっぱり言い切られてツナは苦笑する。

「そうじゃなくってさ」

死ぬ気弾を撃たれたツナが、溺れかけていたハルを助けたことで、ハルはツナのことが好きになったと言う。

だけどそれは『死ぬ気弾』使用時のことで。

『死ぬ気弾』の効果がある間だけ、ツナはいつもと違うことが出来る。

ツナは続けた。

「オレって普段はこうじゃん?あまりにも落差がありすぎて嫌なんじゃないかなって」

自分で言うのもなんだが、普段は本当に『ダメツナ』という言葉がぴったりだと思う。

運動も勉強も駄目。

気は弱い方だし、喧嘩だって強いわけじゃない。

 

死ぬ気弾が無ければ、何も出来ない。

 

「そんなことありません!」

ハルはぐっと拳を握って大きな声を出した。

「ハルは普段の優しいツナさんも大好きです!それに、」

 

「どんなツナさんだって、ツナさんじゃないですか」

 

普段の『ダメツナ』も

死ぬ気弾を使っている時も

 

「ハルを助けてくれたのはツナさんです」

ハルは再びきっぱりと言い切った。

「ハルはツナさんが好きです」

まっすぐ、自分を見てはっきりそう言ったハルを、ツナもまっすぐ見つめ返した。

 

「ハルって、凄いな」

 

心の底からそう思う。

何もかも、凄い。

「はひ?」

ハルはツナの言葉が意外だったようで面白い声で答えた。

「ハルは凄くないですよ!凄いのはツナさんです!」

ハルは再び力説した。

あまりに力を込めて叫ぶのでツナは再び苦笑した。

 

ハルには、敵わない気がする。

敵わないなら、せめて、ずっと『凄い』と言ってもらえるように努力しなきゃ、と思った。

 

 

 

 

END

 

 

 

 

ツナハル。

ハルはいつでも直球勝負っす(^_^)

そういうところに敵わないなぁとか思っててくれるといい。

 

 

2006.02.11