■意地っ張り■
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「ハナさんって負けず嫌いだよねぇ」 「ああ?」 まるで独り言のような良太郎ののんびりした声に、テーブルを挟んで向かいに座っていたモモタロスが顔を上げた。 噂の当人は向こうでナオミと何やら楽しげに話をしている。 こちらの声が聞こえない位置であることを確認してモモタロスは言った。 「負けず嫌いも何も、あの凶暴なハナクソ女に勝てるヤツなんか居ないだろ」 ハナに何度も鉄拳制裁を食らっているモモタロスは、あのパンチの威力を身を持って知っている。 良太郎は少し笑った。 「・・・モモタロスは、皆が消えちゃったとき、怖くなかった?」 「はあ?」 唐突にハナから飛んだ話についていけず、モモタロスは聞き返す。 「ウラタロスや、キンタロスや、リュウタロスが消えちゃって、一人になった時不安にならなかった?」 モモタロスの返答を待たずに良太郎は続けた。 「ボクは、すごく怖かった。不安で寂しくて、どうしたらいいか全然わからなくて・・・。だけど皆すぐ帰ってきてくれたから、嬉しかった。すごくほっとしたんだ」 皆が無事戻ってきたあの時、一人でこっそり泣いていたハナの姿を思い出す。 安心して嬉しくて泣いていたのだろう。 いつも凶暴なハナらしくもない、と皆に言いつけてやると茶化してしまったけれど。 「ハナさんの居た時間はもう消えちゃってて、ハナさんだけが残ってて、上手く言えないけど、あの時ボクが感じた怖さをずっとハナさんは抱えてるんだな、って」 「別に心配することもないだろ、あの女はつえーよ」 腕っ節だけならば男にだって負けない。 「うん、そうだけど」 良太郎はまた少し笑った。 「でも強くならなきゃ、頑張らなきゃって、本当はつらいのに『負けるもんか』って頑張りすぎちゃってる所があるんじゃないかなって思うんだ」 頑張りすぎる。 弱いところを見せまいとして。 ウラタロスたちが消えたとき、モモタロス自身も余裕がなかったから気がつかなかったが、そういえばあの時もハナの姿は見えなかった。 皆が消えた時も、こっそり泣いていたのだろうか。 一人で。 「・・・そういうのは負けず嫌いとは言わねぇよ」 モモタロスは言った。 「ただの意地っ張りだ」 泣きたいならもっと大声で泣けばいい。 誰もそれを咎めたりはしないのに。 「うん、そうかもね」 良太郎は頷いた。 「もっと頼ってもらえるように、強くなりたいよね」 意地を張らないですむように。 一人で泣いたり、しないように。 「・・・ふん」 にこにこと笑いながら言う良太郎に、くだらない、とばかりにモモタロスは鼻息で返す。 だがその視線はナオミと話しながら笑うハナを捉えていた。
END
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桃→ハナってカンジで。
ちょっと良→ハナっぽくもある。
すいませんまた需要の無さそうなモノを・・!(^^ゞ
でもハナちゃんが大好きなのです。
強い女の子だけど
弱いところも見せられるようになったらイイナ!
2007.08.25