■トクベツ■

 

 

「一緒に旅した仲間なのに、どーしてガウリィさんはすぐ私たちのこと忘れちゃうんですかあ?」

食事の席で不満そうにアメリアがそう言うと、ガウリィはまったく反省の色もなく言った。

「いやあ、スマンスマン」

言って、また食事に戻るガウリィにアメリアはぶうと頬を膨らませる。

「リナさんのことは絶対忘れないくせに」

「そりゃ毎日顔つき合わせてるんだもん。これでアタシのこと忘れた、なんて言ったらどつきまわす所じゃ済まさないわよ」

アメリアの向かいで肉を口に運んでいたリナがもう一切れ口に放り込んでそう言った。

「じゃあ離れて居たら忘れちゃうんですか」

「どうだろうなぁ」

ガウリィは呑気な声でそう返した。

「まあリナを野放しにしとくなんて、そんな猛獣を放し飼いにするようなこと、危なくって出来ないけどな」

「誰が猛獣だあ!!」

すぱーん!といい音を立ててスリッパがガウリィにヒットする。

「きっとガウリィさんは離れていたって、リナさんのことだけは忘れないと思います」

 

ガウリィにとってリナはそれだけ『トクベツ』なのだ。

 

「そうかなぁ」

「そうですよ!」

力強く言い切るアメリアにガウリィは笑った。

「まあ離れるつもりもないけどな」

「・・・っ」

まるで告白のようなその台詞に、女性陣の動きが止まる。

「放し飼いは危ないからなぁ」

すぱーん!ともう一度スリッパの音が響いた。

大騒ぎを始めたリナとガウリィをとりあえず放っておいて、先ほどから我関せずとばかりに会話に加わってこないゼルガディスに問いかける。

 

「ゼルガディスさんは、私のこと忘れないでくれますか?」

 

「・・・当たり前だろう。あの旦那と一緒にするな」

「まあ、そうなんですけど・・」

ガウリィに対して大変失礼な会話だが、アメリアの問いはそういうことではない。

ゼルガディスにとって自分がどういう位置にいる存在なのか、其れが知りたいのだ。

しかし上手く其れを言葉に出来ずにテーブルに突っ伏して唸る。

唸るアメリアの横から硬質な腕が伸びてきて、頭を撫でてくれた。

ぽんぽんと頭を叩くその硬い手は、乱暴なようで優しい。

「えへへ」

アメリアは顔を上げた。

撫でてくれた腕の持ち主は、知らん顔で食事に戻っていたけれど、別に構わない。

「ゼルガディスさん、頑張ります、私!」

 

自分の気持ちに正直に生きることは、コレすなわち正義のはずです!!

 

 

「いいからとりあえず座って、落ち着いて食べろ」

椅子の上に立ち、声高く宣言するアメリアに、ゼルガディスは冷静にそう言った。

 

 

 

END

 

 

 

ゼルアメ

新作アニメが始まって我慢できなかった(^_^)

正義オタク、アメリアが好きです!

 

 

2008.07.10