■自分の言葉■

 

 

 

ミルキィローズの言葉から、シロップがエターナルに、取引を要求されたのはわかった。

ローズパクトを渡せば、もう私たちに手出しはしないと言うようなことを言われたらしい。

シロップの欲しがっている『記憶』に関するレポートもローズパクトと交換と言われたことを知ったのは少し後だった。

シロップの一番の目的は、一番の望みは、記憶を取り戻すこと。

でも、シロップは結局取引に応じなかった。

ローズパクトを渡さなかった。

 

シロップは、他人が書いた記憶なんて『自分の記憶』じゃないと知っていたのだと思う。

『自分の言葉』じゃないと知っていたのだと思う。

 

自分のモノじゃなきゃ意味がない。

 

ちょっと前に、のぞみさんがりんさんの弟さんと妹さんの先生をしたことがあった。

大きな、綺麗な花を咲かせるために、今勉強するんだよ。

そんな風に、『自分の言葉』で伝えられるのぞみさんはやっぱり凄いと思った。

人からの受け売りではない、人の言葉を鵜呑みにしているのではない、『自分の言葉』

 

のぞみさんの言葉は何時だって、周りを動かす力を持ってる。

 

私のお母さんは私が小さい時に亡くなったから、私はほとんど覚えていない。

残っているビデオや、写真、お父さんやおじいちゃんの言葉でお母さんを知るだけだ。

それは『知っている』だけだ。

だけどカレーを作ってくれたお母さんの後姿や、「美味しい?」って聞いてくれた声や、優しいその手はおぼろげだけど覚えてる。

それは人から聞いたものじゃなく、私の記憶だ。

お母さんのレシピを書いたノートを見つけたとき、どうしてもカレーだけは作れるようになりたいと思ったのも、その記憶をもっと自分のものにしたかったからだと思う。

女優になりたいのも、あの舞台の上に立ちたいのも、もっとお母さんの記憶を自分のものにしたいから。

 

 

 

今は未だ、『お母さん』を追いかけているだけだけど

いつかきっと

『自分の言葉』にしてみせるから。

 

 

 

 

いつかきっと

誰かを突き動かすことが出来るほどの

『自分の言葉』にしてみせるから。

 

 

 

 

END

 

 

 

うらら。ちょっとシロ←うら?

シロップが戻ってくるのにうららも少しは貢献するとイイナ

 

 

 

2008.07.19