■美味しいか、美味しくないか■
| 「風邪ですか、シロップ」
ケホ、と小さく咳をしただけなのに、うららが耳聡く反応した。 「ちょっと喉が痛いだけだ」 別にたいしたことはない、と告げたのに、うららは大仰に言う。 「駄目ですよ。風邪は早めの対策が肝心なんです」 そうして自分のカバンをひっくり返す。 「私、喉飴持ってますから、とりあえず舐めておいてください」 「強制的かよ」 「何もしないよりはいいはずです」 きっぱり言い切るうららのカバンの中からは飴が何個も転がり出てくる。 一体いくつ持って歩いてるんだか。 仕事の関係上、声は大事だから、普段から持ち歩いているのだろうが、この量はどうか。 その中のひとつを手にとってうららは言った。 「これが一番美味しいです。こっちのは同じシリーズで結構美味しいけど、やっぱりこのイチゴ味には敵いません」 差し出されたその飴がうららのオススメらしいが。 「美味しいって・・あのなー」 「はい?」 うららは飴を握り締めたまま小首を傾げた。 「喉飴なんだから『美味しさ』よりも『効く』か『効かないか』が基準だろ、普通」 「あっ」 言われてうららは今気が付いた、といった顔をした。 慌てて他の飴をがさがさとかき回す。 「そ、そうですね。ごめんなさいシロップ。えっとこっちの飴はあんまり美味しくないけど定番のヤツだから効くと思います。あとこれは美味しくないけど咳は止まります」 改めて差し出された飴はオーソドックスな喉飴と咳止め薬の名の入ったものだった。 「ぷっ」 うららの飴の説明がなんだか可笑しくてシロップは噴出した。 結局美味しいか美味しくないか、が優先じゃないか。 「シロップ?」 笑うシロップを不思議そうにうららが見る。 「まあ、いいけどな」 判断の基準が其処だなんて、うらららしい。 シロップはうららが最初に進めてくれた一番美味しいイチゴ味を口に放り込んだ。
確かに、美味しかった。
END
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シロうら
フラグが立ちそうな予感にフライング(^_^)
うららのオススメはうるおうイチゴ喉飴。美味しいですマジでv
セキが止まるのは龍角散喉飴
2008.05.29