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イライラする。
あれからずっと心の奥がずきずきと痛んで、其れがものすごく鬱陶しい。
「何で、アイツは」
ボクが敵だと解っているのに助けたんだろう。
散々酷いことをしたのに助けたんだろう。
此方が何も覚えて居なくても、ダイアモンドはちゃんと覚えていたのに。
記憶を取り戻したら、良かったとか嬉しいとか、馬鹿なことを言って笑うし。
記憶が戻ればまた同じことをすると知っているのに、どうして。
あれからずっとダイアモンドのことばかり考えている。
なんで、どうして。
そうやって他人のことばかり考えている。
ジコチューは自分のことだけを考えていればいいのに。
ボクはジコチューなのに。
…アイツの敵なのに。
ぐるぐる廻る思考はやっぱりダイアモンドのことばかりになっていく。
そうしてやっぱり胸の奥が痛んで落ち付かない。
*
あれから六花は心配ばかりしてる。
「大丈夫かなあ」
「何の話ケル?」
解っているけどラケルはとぼけて聞く。
「イーラよ。記憶は戻ったけど怪我はまだ治って無かったのに…ジコチューのお医者さんって居るのかしら」
お医者さんが居れば診て貰えるわよね、と六花は言う。
「…病気になっても治してくれそうもないケル」
「…そうね」
ジコチューな医者なんて患者のことなんか考え無さそうだ。
「大丈夫かなあ」
アイツは敵なんだから、もう心配しなくていいと思う。
ラケルはそう思うのに、六花はまだアイツの心配をしている。
END
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