■魔法■

 

 

 

「ありがとうシロップ、とっても気持ち良かった!」

シロップに以前貰った『乗車券』を使ったうららは、そう言って嬉しそうに笑った。

「シロップもとってもいい気分だったロプ」

人の乗れるサイズから、いつもの小動物サイズへ戻ったシロップもうららに釣られるように笑う。

うららはシロップを抱き上げた。

さっきまで飛んでいた空を見上げて呟く。

「またいつか乗せて貰いたいな」

「まあ、乗せてやらないこともないロプ」

「本当?!」

シロップのちょっと捻くれた言い方に、うららは食いついた。

「じゃあ今度はキュアローズガーデンへ行った時に乗せて?」

「キュアローズガーデンへ行った時、ロプ?」

「そう」

うららは大きく頷いた。

「今日は私が舞台女優になる夢に少し近づいた日でしょ」

「ロプ」

今度はシロップが大きく頷いた。

「だから」

 

「今度はシロップの夢に近づいた時に、『いい気分』を共有したいの」

 

空を飛ぶのはとても気持ちが良かった。

だけどきっとそれは一人じゃなかったから。

この嬉しい気持ちを共有してくれるひとが居たから。

一人よりもっと嬉しい。

 

一人では使えない

なんてすごい魔法。

 

シロップは少し口籠った。

「・・でもキュアローズガーデンへ行っても何も思い出せないかもしれないロプ」

「大丈夫だよ!」

うららは言った。

この『大丈夫』はのぞみのくれた魔法で、これを使うと本当に大丈夫だと思えるようになることをうららは知っている。

この魔法の言葉が、自分の力で、シロップに届くといいと思う。

「だってシロップは少しづついろいろ思い出してきてるじゃない」

 

「それに、私が夢を叶えたらシロップの夢もかないそうな気がするって、シロップが言ったんだよ?」

 

シロップはうららを見上げて頷いた。

うららは笑ってみせる。

「・・そうだったロプ」

それからシロップは一度受け取った『乗車券』を取り出した。

「じゃあこの乗車券はまたうららが持ってるといいロプ」

「ありがとう!」

 

再び受け取った乗車券を大事に仕舞って、うららは一人では使えない魔法に思いを馳せた。

 

 

 

 

END

 

 

 

シロうら

「うららの歌声〜」後ということで。

シロップもうららが夢を叶えたら自分も叶う気がするって言ってたし

やっぱ気持ちを共有する人が居るのは

頑張れる活力のもとだよね、ってことで。

 

やっぱ此処はどうしてもシロうらを書いときたかった!

 

 

2008.11.30