■チョコ■
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帰り道、ネウロは上機嫌に見えた。 食べた謎はそう大きなものでもなかったけれど、このヴァレンタインのプレゼントは気に入ってもらえたようだ。 魔界の住人であるネウロがヴァレンタインというものをどれだけ理解したのかはわからない。 とりあえず洗脳するイベントでも人体改造のイベントでもないということはわかったハズだが。 人間だって人種や生活環境によって大分考え方は変わってくるものだから、魔人であるネウロに完全に理解できなくても別に構わないと思う。 カンペキに理解など出来なくても、ネウロは人間に興味を示し、認めている。 その辺がシックスとは違う。 まったく違う。
そういや私、ネウロを怖いと思ったこと、無いかも。
この魔人には理不尽に酷い目にあわされたりもするけれど、最初にXと会った時やシックスとの時のように、動けなくなるほどの恐怖は味わったことが無い。 これ下手したら死ぬんじゃない?って目には合わされているけど、それはネウロの趣味だからもう仕方が無い。 其処はもう諦めた、というか悟りの境地だ。 しかし、一応向こうはニンゲンでこっちはニンゲンじゃないっていうのに、人外のネウロの側の方が安心出来るって一体どういうことだろう。 ヴァレンタインの贈り物をとりあえず喜んでもらえたようなのも、実は嬉しかったりするし。 いわゆる『本命チョコ』だった、というわけでは無いのに。 無い、はずなのに。 「ところでヤコよ」 前を歩いていた魔人がにこやかに振り返った。 ヤコは思わず身構える。 ネウロがこういう笑い方をするときにはロクなことがない。 「ホワイトディには3倍返しがお約束だそうだな。楽しみにしていろ」 要らねー! ヤコは心の底から思った。 ネウロのお返しなんて当然とんでもないモノに決まっている。 しかし悲しいかな、ヤコにそれを拒否するという選択肢は最初から無いのだった。
前言撤回、安心とは程遠い生活をしている。
END
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144話「日」の後
ヴァレンタイン話が非常に萌えだったので。
本命チョコ!!(チョコじゃないけどな)
2008.02.11