■仲間■
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仲間を増やすつもりなんてなかった。 他人を危険に巻き込むつもりもなかった。
窓枠に身体を預けて、ヨイチはこの廊下を通るはずの人を待っていた。 そろそろ来るはずだ。 「・・火向」 小脇に書類を抱えた今井がヨイチに気が付いて名を呼んだ。 苗字、で。 「コンニチハ、今井先輩」 ヨイチは目当ての人に軽く手を上げて挨拶した。 「こんなところでサボっていないで仕事をしろ」 「今井先輩を待ってたんですよ。ペイジ本部長の所に行くのが見えたから」 ヨイチの前に立った今井が、思ったとおりの言葉を投げてくるのにほんの少し笑う。 「私を?」 意外そうに今井は聞き返した。 「何か用か?」 「いや用ってほどじゃないんだけど」 ヨイチはそこで言葉を切った。 「ただ、今井先輩と話がしたかっただけ」 真面目な先輩はこの返答が気に入らないだろうと思いながらヨイチは続ける。 少しおどけた口調で。
「すっかり巻き込んじゃったなぁって、思って」 仲間を増やすつもりはなかった。 禁魔法律に手を染めた友人を取り戻す、それは確実に危険を伴う行為だったから。 仲間だけで出来ることには限界があると知っていたけれど。 危ない目にあうのは自分たちだけでいい。
そう、思っていたのに。
「火向」 今井は静かに名を呼んで続けた。 「私は魔監獄で、何も出来なかった」 そんなことは無い、と言いたかったがヨイチは黙って今井の話を聞いていた。 実際今井が欠けていたとしたら誰一人生き残れなかっただろう。 それでも自分の部下を死なせてしまった事を、今井が悔やんでいるのを知っている。 だから、ヨイチは何も言わなかった。 「だから」
「私は私に出来ることをやりたい。・・それだけだ」
前を見て、告げられる言葉。 真面目でまっすぐなこの人らしい言葉だと思う。 「・・・そうっすか」 「ほらそんな顔をするな」 今井は持っていた書類で軽くヨイチの頭を叩いた。 「大丈夫だ、自分の力量くらいわかっている。危ないとなったら一番に逃げ出すさ」 軽い口調でそう言うと、今井はいつもの調子に戻って言った。 「お前もサボっていないで仕事に戻れ」 「はい」 大人しく返事をして腰を上げる。 そうして其処で立ち去る今井の後姿を見送った。 「危ないとなったら一番に逃げ出すさ」 「そんなことが出来る人なら心配しないよ」 ヨイチは小さく呟くと自分のやるべき仕事に戻っていった。
誰も
危険な目になどあわせないために。
END
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ヨイチ→今井みたいな(^^ゞ
今井さんは超真面目なので逃げ出したりしないと思う。
ヨイチは軽そうに見えて
いろいろ考えてると思う。
相変わらずヨイチに夢見がち。
ヨイチはサポート面で大変重宝されるキャラだと思うのです。
エンチューを失った痛みを知ってるから
仲間を大事に思ってると思うのです。
2006.07.21