■何処の馬の骨ともわからない奴に■
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「ウチの可愛い妹を何処の馬の骨ともわからない男にやれるかって言ってましたね」 後ろからの声に銀時は振り返って答えた。 「新八くん、キミ、今のちゃんと聞いてた?耳遠いんじゃないの」 たった今、屋根から消えた神楽の兄、神威は、自分が殺してやるんだからそれまで死ぬな、とかもっと強くなれとか、そんな勝手で物騒なことは言っていた気がするけれども。 新八の言うようなことは毛ほども言っていなかった筈だ。 「意訳です」 「どんだけ訳してるの?!何処をどうしたらそういう訳になるわけ?!」 叫ぶ銀時とは対照的に新八は冷静だ。 「年端もいかぬ子供に手を出したりするからですよ」 「待て待て待て待て、銀さんがいつ子供に手を出したって言うんです。人聞きの悪いこと言わないでくれる、ぱっつあん?銀さんロリコンじゃあないんだよ。貧乳より巨乳が好きなんだよ。こう、ボンキュボンってしてるのが好きなんだよ」 「必死ですね」 「違うっつーの!」 後ろからやってきた神楽が新八をぶっ飛ばした。 怪我をしているとはいえさすが神楽、新八は容赦なく転がされて呻く。 「銀ちゃん、阿呆な漫才してないで早くアイツ追うアル!」 そのまま駆け出そうとした神楽を慌てて銀時は捕まえた。 「待てこら、何言ってんだ馬鹿たれ。おめえ曲っちゃなんねー方へ腕曲がってるじゃねーか。フツー人間の手はこうはなってねーよ」 「私のことはどうでもいいネ。あいつぶっ飛ばしてやらなきゃ気が済まないアル」 「はいはい、それはまた今度な。今日はこれでオシマイ」 「嫌アル」 神楽も銀時も新八も、誰一人怪我していないものが居ないようなこの状況で、追いかけたところで無駄に死ぬだけだ。 正直、引き上げて貰って助かった。 神楽も其れはわかっているのだろうが。 じたばたと腕の中で尚も暴れる神楽に、銀時は言った。 「そんなんで追いかけていったって相手にされないぜ」 神楽がゆっくりと振りあげていた腕を下ろした。 目に涙を溜めて銀時を見上げる。 「銀ちゃん、私、地球来て変わったと思ってた・・でも全然変わってなかったアル。弱いままだった・・」 スン、と鼻を啜る神楽の頭を銀時はぐりぐりと撫でてやった。 「オレはお前がここに来る前のことなんか知らねーけどな」 「お前は、強いよ」 お前らはオレの『消えない火種』なんだから。 自分一人では踏ん張れなかった。 独りきりでは何も出来なかった。 自分は一人じゃない 仲間が居てくれる。 神楽もそれを知っている。 「よしよし、そんじゃあとりあえず万事屋帰るか」 無事な方の腕を引いてゆっくり歩き出す。 「まず医者でしょう」 転がっていた新八が、復活して言った。 「あーそうだなー」 「銀ちゃんボロボロね」 「年甲斐もなく頑張っちゃったからな」
いつもと同じようなくだらない会話を交わしなら、長い夜が明けたのだと実感した。
END
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銀神
吉原炎上編
だって神威兄ちゃんにも妹をよろしくとか言われちゃうし
その後父ちゃんにも呼び出されてるし
なんか書いておかな!と思って。
2009.03.01