■親と財布を無くした時は男だって泣いていい■

 

 

 

神楽が新八と一緒に拾ってきた中枢電脳幹は源外の家の前に積まれている。

数だけはたくさんある其れ。

このどれかひとつがたまのものだったらいい、と思う。

「・・・どれも同じにしか見えねえけどな」

ひとつ手にとって銀時が呟くと、電脳幹の向こうでしゃがみこんでいた神楽が言った。

「同じじゃないネ。たまはたましか居ないネ。例え同じ機械家政婦に見えたって、たましかたまじゃないアルね」

「年頃の女の子がタマタマ言うんじゃないっての。はしたないでしょうが」

銀時の軽口に返事は返らない。

銀時は軽くため息をつくと立ち上がって神楽の側に立った。

 

たまは、他の機械家政婦とは違っていた。

それは種子を持っていたからなのかもしれない。

感情を持つ機械。

 

人間になりたかったピノキオ。

人間よりも人間くさかった。

 

たまと同じ外見の家政婦はたくさんある。

でもたまはたましか居ない。

 

外側ではない、中身が大切なのだ。

 

横にしゃがんで、膝を抱えて座る神楽の頭をわしわしとかき混ぜる。

「ほら、元気だせっての」

「別にしょげてなんか居ないアルね。卵割り器が無くなったのがショックなだけネ」

神楽は顔を上げずに言った。

「あーはいはい」

 

「とりあえず銀さんが卵割り器になってやるから、な?」

 

よしよし、と頭を撫でてやると神楽がようやく顔を上げた。

「銀ちゃん〜」

「あーいくら泣いてもいいけどよ、鼻水つけんなよ神楽」

しがみ付く神楽の背中を軽く叩いてやりながら銀時が言った。

 

 

 

涙ならいくらだって拭いてやるから。

 

 

 

END

 

 

 

 

 

 

 

タマの話の後

銀神

男だって泣いていいんだから

神楽ちゃんも泣いていいんだよ、ってことで。

 

とりあえず卵割り器になってやる宣言が

気に入ったらしいです(笑)

 

一応タマは死なないですんだみたいだけど

あの後どうしてるんですかね?

 

 

2007.09.08